『Amazonブランド登録( brand registry)』の7つのメリットは、「マーケティング特典系」と、「相乗り&侵害対策系」に分けられます。
目次
マーケティング特典系
- 「Amazonストアページ」の提供
- 「Amazonブランド分析(brand analytics)」の提供
- 「スポンサーブランド広告 / スポンサーディスプレイ広告」が開放
- 製品コードがなくてもカタログが作成可能
相乗り&侵害対策系
5.商品カタログの編集権限をロック
6.使いやすい侵害通報ツール
7.AIによる自動プロテクション
マーケティング特典系
1.「Amazonストアページ」の提供
「Amazonストアページ」とは、Amazon内で自分のブランド専用ページを作成し、自分のストアとして公開することができる機能です。
Amazon公式もこのストアページ機能を推しており、告知ページではいくつかのブランドによるストア制作例が掲載されています。
自分自身のAmazonストアを作成するメリットの第一は、Amazon内で「独自のブランドURL」が取得できることです。URLをTwitter、Facebookなどの自身のSNSで告知すれば、「ストア自体への顧客の囲いこみ」が図れます。
Stores ~ブランドストアをAmazon.co.jpに作成しましょう~ (Amazon公式)より
もともと、「Amazonストアページ」はAmazonマーケティングサービス(AMS)の顧客に提供されているサービスなのですが、商標をブランド登録することで、AMSに登録していない出品者であってもセラーセントラルに「Amazonストア」機能が表示され、利用可能となります。
ストア作成は無料。あらかじめテンプレートも用意されており、画像や動画を貼ることもできます。ストア作成の手順は、以下の公式ページをご参照ください。
ストア – Amazon.comでブランドページを作成する(Amazon公式)
2.「Amazonブランド分析(brand analytics)」の提供
「Amazonブランド分析」とは、Amazon内で検索頻度が高いキーワードの一覧を調べたり、自分の商品と比較され、代わりに買われているライバル商品のデータを取得できる、Amazon公式の分析ツールです。
こちらもAmazonブランド登録しているユーザーのみに提供される無料の高機能ツールです。中でも特に使えそうな機能を2つ紹介します。
A. Amazon検索用語レポート
人気がある検索キーワードと検索頻度のランキング、検索した後に購入者がクリックした商品、さらには購入率を確認できます。
使い方:自らの出品を人気の検索ワードに寄せたり、検索後に良く購入されている人気商品を研究することができます。
B. 商品比較 / 代替購入レポート
ブランド登録した自分の商品と競合するライバル商品(自分の商品と同日に閲覧され、さらには代わりに購入されている商品)のデータを確認できます。商品ごとに検索可能で、それぞれ上位5点のライバル商品が表示されます。
使い方:直接的なライバル商品を知ることで、競合に勝てるよう価格を見直したり、紹介文をカスタマイズするなど、具体的な対抗策を導くことができます。
この2つ以外に、合わせ買いされた商品を確認できる「マーケットバスケットレポート」や、商品のリピート率を確認できる「リピート購入レポート」も提供されています。これらのレポートを活用することで、Amazonビジネスを最適化することができるでしょう。
3.「スポンサーブランド広告 / スポンサーディスプレイ広告」が開放
「スポンサーブランド広告」は、Amazon内でユーザーが商品を特定のキーワードで検索した際に、上部に表示される広告です。クリック課金制なのと、あらかじめ作っておいた自分のAmazonストアやランディングページに誘導できるのが特徴です。
もう1つの「スポンサーディスプレイ広告」は、閲覧者ターゲティングや商品ターゲティングを利用し、Amazon内でも外でも、商品に関心が高いと見込まれるユーザーを狙い撃ちして表示できる広告です。
こちらもクリック課金制なのと、自社商品と関連性が高いAmazonの商品ページ(多くはライバル商品ページ)にも広告が表示されるので、顧客を自分の商品に誘導することが可能なのが魅力です。
広告プランの選択肢が広がれば、より自分の商品に合ったプロモーションを打つことができるでしょう。
スポンサーブランド広告 – ブランドの認知度を高めるのに役立つ(Amazon公式)
スポンサーディスプレイ広告 – ディスプレイ広告キャンペーンを作成する(Amazon公式)
4.製品コードがなくてもカタログが作成可能
Amazon.co.jpで販売する商品は原則としてJANコードなどの製品コードが付与されている必要があります。ただ、中国からの工場直輸入品など、製品コードを取得していない商品を販売したい場合もあるでしょう。
Amazonでは「製品コード免除申請」を行うことで、製品コードがない商品でも出品することが可能ですが、「ノーブランド品」という扱いになり、ユーザーに価値を訴求しにくいです。
これに対し、あらかじめ自分の商標をAmazonブランド登録しておけば、製品コードがない状態でもカタログ作成ができ、さらに自分のブランド名をカタログにも表示することが可能になります。
※プライベートブランドを出品するには、別途、商品自体にブランド名が記載されたラベルが縫い付けられているか、ブランドタグが付与されているなどの要件があります。商品の種類によって異なりますので、詳しくはAmazonセラーセントラル内の「商品登録規約」を参照ください。
相乗り&侵害対策系
5.商品カタログの編集権限をロック
Amazonで新商品を出品しようとして商品カタログを作った場合に、他人が相乗りしてくることがあります。その前段階で、Amazonブランド登録を行った人にのみ編集権限が付与されるというメリットがあります。
「編集権限のロック」が行われると、相乗り出品者には商品ページの編集ができなくなるので、勝手に商品説明を書き替えられたり、商品のサイズ・仕様・セット内容などを書き換えられることがなくなります。
このロック機能はセラーセントラルにおける商品カタログ作成時にあらかじめブランド登録しておいた商標名を入力することで、効果を発揮します。
6.使いやすい侵害通報ツール
Amazonブランド登録のシステムにログインすると、「権利侵害を申告する」というフォームが使用できます。
このフォームではAmazonの商品名やASINを検索することで、まとめて商標権侵害を申告できます。
申告するには、商標権を取得している必要があります。(出願係属中は申告することができません)
商標権の侵害が認められると、通常24時間以内(早ければ1時間程度)で侵害品は削除され、場合によっては侵害品の出品者にアカウント停止などのペナルティが課されます。
7.AIによる自動プロテクション
『AIによる自動プロテクション』とは、侵害品がAmazon販売ページに掲載される前の自動ブロック機能であり、ブランド登録を行うことで自動的に働き出します。
どの程度自動プロテクションが行われたどうかは権利者側が知ることができないのですが、権利侵害の申告を行うことでAIが侵害品の特徴を学習し、効果的に機能しだすとされています。
効果が見えにくい機能ですが、人気ブランドで模倣品が出てきた場合、頼れるガードマンとして活躍してくれるでしょう。